第13話 「謎」
20××年。地球は突如現れた悪の組織「ハゲイラー」の 手によって侵略されてしまった。 |
人々は、ハゲイラーの出す油ギッシュたっぷりの 「ピッカリ光線」によって次々とハゲていってしまった。 |
そんなハゲていった人々の苦しみを見ていた正義感たっぷりで、 めっちゃ“剛毛”の1人の勇敢な青年「剛毛 健(ごうもう たけし)」と、 |
表舞台では“科学博士”という本当の姿を隠し「競馬予想家」として 生きているジジィこと「毛家(もうけ)博士」が手を取り合い地球を救うべく |
| 立ち上がったのである。 |
| この物語は、そんな「ハゲ」と「剛毛」が地球をかけて争う物語なのだ。 |
| 剛毛戦隊 タイモウジャー |
| 第13話 「謎」 |
| 剛毛 健は、顔を真っ赤にし、毛家博士の家にダッシュで向かっていた。 |
健 「クソ~、あのジジィ! なんで、仲間がいる事を黙っていやがったんだ! |
なんか、納得いかねなぁ~! 主役はオレ1人で十分だろ~が!? 一体、どうなってやがんだ! ブン殴って、聞き出してやる!」 |
幾ら台本があって、幾ら演技とは言え、 健の“キレっぷり”は尋常ではなかった。 |
秘密基地でもある毛家博士のアパートに着くなり、 健は、激しくドアを叩き始めた。 |
| ドンドンドン!!! |
| ドンドンドン!!! |
健 「ゴルァ~! クソジジィ~、出て来やがれ~! なんで、黙ってやがった~! 仲間がいるなんて、一言も聞いてねぇ~ぞぉ! 一体、どうなってやがんだ~!」 |
| シ~~~~~~~~~~~~ン……。 |
健 「オイ! クソジジィ~! 何とか言え、コノヤロ~! 都合が悪くなったら、居留守使うのか、ゴラァ~~!」 |
| シ~~~~~~~~~~~~ン……。 |
健 「早く出てこねぇ~と、このドアをぶち破って、 テメェ~の事、ヤっちまうぞ、ゴラァ~!」 |
| シ~~~~~~~~~~~~ン……。 |
| 健が幾ら吠えようが、わめこうが、扉の向こうは無言のままだった。 |
健 「いつまで、無視するつもりだ~、コノヤロ~! この回、無視で終わらせる気かぁ~!」 |
健のイライラは最高潮まで達してしまい、 居ても立ってもいられず、禁断の地でもある“あの部屋の扉”を 勝手に開けてしまった。 |
| 健 「いい加減に出てこいや~!!!」 |
| ガチャッ。 |
扉には鍵がかかっていなかったが、 イライラしてブチ切れていた健は、その事を気にしなかった。 |
そして、あのなんとも言えない“クサい部屋のニオイ”の事すらも すっかり忘れていたのだった。 |
健 「ゴラァ~~~!クソジジィ~~どこだぁ~~……、 ぐはぁ~~! めっちゃクセ~~! |
忘れてたずぇ~… ゲホッ、ゲホッ。 オエェ~~。 もろに嗅いじまった~~。ゲホッ、ゲホッ…。 ん~~、毎度の事ながらこのニオイ、目にもくるずぇ~。」 |
だが、健が目にした部屋の中には、 相変わらずゴミが散乱しているだけであって、 毛家博士の姿はそこになった。 |
| 健 「ゲホッ…、ゲホッ。あれ? ジジィ、いねぇ~じゃん? |
オレの怒りを察知してさっさと逃げやがったのか? ……ぐわ~、それにしても本当にクセ~。 ダメだ、耐えらんねぇ~、ゲホッ、ゲホッ。」 |
| 健が、部屋から出てくると同時に隣の住人が出てきた。 |
住人 「ちょっと、アンタ。 ドンドン、ドンドン、うるさいじゃないの! 静かにしてくれない!」 |
健 「すっ、……すみません。(汗) あっ、ちょっとお伺いしたいんですけど、 この家のジジィ、どこに行ったか知りませんか?」 |
住人 「知るわけないじゃないの。 あぁ~、でもこの間、救急車が来てたわよ。」 |
| 健 「救急車!? えっ、何かあったんですか?」 |
住人 「何で来てたのかは、知らないわよ。 でも、隣りが騒がしかったから何かあったんじゃないの?」 |
健 「俺、何も聞いてないぞ……。 なんだよ、主役なのに…。またハブかよ!完全にイジメだな! クソ~、マジで怒った!病院に殴り込みじゃぁ~!!」 |
またまた1人で勝手に怒り出した健は、 勢い任せで病院までフルスピードでダッシュをした。 |
その途中、カオリちゃんの店の前を通り過ぎが、 健はそれすらも見向きもせずに病院へと向かった。 |
そんなダッシュで駆け抜けた健を カオリちゃんがまたまた偶然にも見ていたのであった。 |
| カオリちゃん 「あっ!!……今、一番会いたくないヤツを見ちゃったな~。 |
なんかまたさっきの事を思い出しちゃってイライラしてきたわ! ……こうなったら、追いかけていって、 もう一回ブン殴らなきゃ気が治まらないわ!」 |
なんだか、カオリちゃんまでもがイメージをぶち壊すような、 おかしな発言をし、またまたお店をほったらかしにして 健の後をつけだした。 |
その頃、毛家博士は、 病院のベッドの上で横になりながら競馬観戦をしていた。 |
毛家博士 「そうじゃ、差せ!差せ!もう少しじゃ~! 頑張るのじゃ~~……、あぁ~~ぁ。。またダメじゃ。 なんでこうも当たらないんじゃ…。 |
イタタタ……。まさか、あんな体勢でぎっくり腰になるとは…。 もう、ワシも歳なのかの…。 |
そういえば、健に何も連絡してなったな。 まっ、退院してからでも連絡をして、 研究用の健の血を採らせてもらえればいいか。 この腰が治るまでは、ゆっくりするかの。」 |
| と呑気に競馬を見てた。 |
15分くらいして、博士は知らぬ間に眠りについていた。 だが、気持ち良い世界に入る一歩手前で、 廊下の遠くの方から下品な大声が聞こえた。 |
| その声の主は、顔を真っ赤にしダッシュでやって来た健だった。 |
健 「うぉら~~!クソジジィ~~!!出てこいや~~!! どこにいるんじゃボケェ~~!!」 |
| 博士 「うわっ!! なっ、何事じゃ!?」 |
博士は、その下品な大声で目を覚ました。 病院内に響き渡る健の下品な声は、看護婦達にも行き届いた。 |
看護婦 「ちょっと、アナタ! ここは病院ですよ! 大声は出さないで下さい! 変な事をするようなら警察を呼びますよ!」 |
| 健 「あっ、すみません(汗)つい、興奮してしまいまして……。」 |
と、健が看護婦に素直に謝っていた時、 後ろから容赦ないグーパンが飛んできた。 |
| ボコボコーーーーーーーーーーーーン!! |
| 健 「ぐきゃ~~!!イテェ~~!!だっ、誰だ!?」 |
| 健が振り向くと、そこにはカオリちゃんが立っていた。 |
| 健 「カッ、カオリちゃん!?」 |
カオリちゃん 「おぅコラ、テメェ~。 ナニ、アタシの目ん玉の中にチラチラ、チラチラ、映ってんだよ!? |
それに、ここは病院なんだよ。ちったぁ~~、 静かに出来んのかワレ!おぅ!?」 |
健 「はっ、はい。すみません……。 それはもぉ、ごもっともな意見で……。もう2度とし……。」 |
と、健がカオリちゃんを恐れ、頭を下げた瞬間、 カオリちゃんの容赦ないグーパンPART2が飛んできて、 健は簡単にKOしてしまった。 |
カオリちゃん 「あ~、スッキリした。 さぁて、お店に戻ってお仕事しなきゃ。」 |
看護婦達が呆気にとられている間に カオリちゃんはサッサと帰ってしまった。 |
何事かと、痛い腰を抑えながら博士は廊下まで出て来て、 大の字で倒れている健を発見した。 |
| 博士 「おっ、健ではないか!どうしたんだ、こんな所で?」 |
| 博士の声に反応した健は、すぐさま起き上がった。 |
健 「テメェ~、クソジジィ!こんな所で何してやがる! ジジィがいない間、こっちは、エラい目に遭ってんだぞ! |
カオリちゃんには嫌われるし、ハゲイラーは襲ってくるし。 挙げ句の果てには、俺の仲間だって言うヤツまで現れたんだぞ!」 |
博士 「ちょっ、ちょっと待つんじゃ! 落ち着け。今、何と言った?」 |
健 「あん? 幼なじみのカオリちゃんに嫌われたって言ったんだよ!」 |
博士 「いや、カオリちゃんって子にお前が嫌われるのは、 ワシは知らんが、その後じゃ、その後!」 |
| 健 「あん!?その後?ハゲイラーが襲って来たんだよ!」 |
博士 「いや、そこじゃない!その後じゃ! “仲間が”どうとかいう所…。」 |
健 「あぁ~、そこか。仲間が現れたんだよ、仲間が。 ジジィ、何で俺に仲間の存在を隠してたんだよ?」 |
| 博士 「仲間なんて……いないはずじゃが……。」 |
健 「っんなワケねぇ~だろ! そいつが“仲間だ”って言ってたんだからよ! 一体アイツは、何者なんだよ?」 |
博士 「落ち着いて聞くのじゃ! ワシは本当に仲間なんか作った覚えはないぞ! |
それに、ワシが作ったのは、 お前が付けとる“タイモウブレス”の1つだけじゃ。 ……ソヤツも“タイモウジャー”に変身したのか?」 |
健 「いや、そいつは“タイモウジャー”じゃなくて “ゾウモウジャー”って言ってた。」 |
博士 「“ゾウモウジャー”じゃと!?ますます解らん。 一体、誰がそれを作ったのじゃ……?」 |
| 健 「ジジィ、本当にそいつの事、知らないのか?」 |
| 博士 「あぁ……、ワシはソヤツを知らん。」 |
| 意外にも、毛家博士は“ゾウモウジャー”の存在を知らなかった。 |
健の“体の秘密”も未だ解明出来ないまま、 毛家博士には次なる謎が襲いかかってきたのだ。 |
そして、毛家博士のマジなリアクションに 健も言葉を失っていた……。 |
| 第14話につづく。 |
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